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旅人のゆりかご:夜行列車、人気再び

近年、人気が再燃しているヨーロッパの夜行列車。ここでは、夜汽車を存分に楽しむためのヒントやアドバイスについてお話します。

 

執筆者: Shandana A. Durrani(シャンダナ・A・デュラーニ)

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ヨーロッパで汽車旅行が大人気だった時期を思い出させる夜行列車。 クレジット: EyeEm

 

夜行列車といわれて頭に浮かぶのは恋愛と複雑な人間関係ではないでしょうか。豪華な客室。そこに渦巻くミステリー。謎を解けるのは眼光鋭いベルギー人探偵だけ――そんなイメージから離れられません。オリエント急行は、私たちのほとんどにとって手の届かない高価な旅ですが、夜行列車での旅くらいならだいじょうぶ。銀行口座がからっぽになる心配はありません。 

 

ÖBB(オーストリア連邦鉄道)からSerco(英国・セルコ)SJ(スウェーデン鉄道)まで、さまざまな鉄道会社がヨーロッパの文化の中心地をつなぐエキサイティングな泊まりがけの旅を提供しています。こういった旅は、飛行機や高価なホテルの代わりとなり、地球に優しい、歓迎すべきものです。それでは、あなたにぴったりな旅を見つけるコツとアドバイスをいくつかご紹介しましょう。 



乗車の前に

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さまざまなルートで夜行列車を運行するトレニタリア。旅は平均6~8時間続きます。ひと眠りしましょう。クレジット: Shutterstock 

夜行列車は昼間の列車よりも混雑していないことが多く、夜型の人や、気分すっきり、元気いっぱいの状態で目的地に到着したいという人にうってつけです。旅程によっては、多くの列車が、コンパートメントに加え、寝台車も用意しています。大半の旅行が平均8時間ですから、ゆっくり眠って体を休められるだけではなく、読書をする、最新のヒット映画を見るなど、普段はなかなかできない、クオリティの高い時間を過ごすことができます。 

 

列車に乗ると、車掌に切符とパスポートを求められますので、預けてください。これらは、旅の間、車掌が保管し、夜間の国境通過に使用します。ヨーロッパのほとんどの国では、新型コロナウイルス感染症対策が施行されていますので、余裕を持って乗車し、客室に落ち着きましょう。客室や客車を移動するときには、必ず、マスクを着用してください。 



旅を快適にする設備

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1人用個室では完全にひとりきりになれます。クレジット: Shutterstock

 

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右:旅で知り合いを増やしたいならコンパートメントがおすすめ。ただし、マスクを忘れずに。クレジット: Shutterstock


鉄道会社によって、座り心地の良い椅子、4~6人用のクシェット(寝台客室)、3人用コンパートメント、豪華な1人用個室など客室もさまざまです。クシェットやスリーパーコンパートメントの大半には、電源コンセント、1人に1つずつ照明と寝具・寝台が用意され、ウェルカムドリンク、朝食が供されます(1人用個室では、クシェットの硬いクロワッサンとコーヒーよりもグレードの高いものが出ます)。個室はシンク付き。また、多くの鉄道会社が専用のトイレとシャワーを備えたさらにデラックスな客室も用意しています。 

 

コロナ禍以前は、ひとり旅をする人は他の旅行者に混じって、4~6人用のクシェットで寝台を1つ予約することができました。冒険を共にする旅人たちと交流するには、これが理想的な手段でしたから。残念ながら現在は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、一部の鉄道会社は、1人、または友だちやパートナーなどのグループで、クシェットをまるまる1つ予約するように義務づけています。また、飛行機で移動できない、または移動を望まない出張者が列車を選ぶケースが増えていて、1人用個室もなかなか取れません。しかし、朗報もあります。夜行列車の旅の人気上昇をうけ、今後2年間にわたり、ルートがさらに拡大され、列車が増発されるそうです。 

 

人気ルート

 

夜行列車の中には1つの国の中だけを走るものもありますが、国境を越えて、文化の変化するさまを体験するチャンスを乗客に提供する列車も数多くあります。では、1つの国の中を回るルートと、複数の国を巡るルートに分けて、人気の高いものをご紹介しましょう。

 

1つの国を楽しむ                                  いろいろな国を巡る

トリノ–レッジョ・カラブリア             ミラノ–ウィーン

ミラノ-レッチェ                                 ベルリン–ウィーン

ストックホルム–オーレ                    ハンブルグ–バーゼル




実際に乗車した感想

  

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主要都市へ行くなら、夜行列車は地球にやさしい交通手段です。クレジット: Shutterstock

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オーストリア、スイス、ドイツ、イタリア、ベルギーの間を運行する夜行列車、ÖBBナイトジェット。クレジット: Shutterstock

 私たちは、ダイヤ改正により誕生したÖBBナイトジェットにドイツのベルリンからハンガリーブダペストまで乗りました。この列車は、ÖBB(オーストラリア国有鉄道)とMAV(ハンガリー国有鉄道)が共同運行しているものです。夜のうちに、数台の客車が切り離され、片方はウィーンへ、もう片方はワルシャワへ向かいましたが、切り離しは、誤った客車に迷い込んだ乗客がいかないかどうかを車掌が確認したあとで行われるので安心です。 

 

私たちは、6人用のクシェットコンパートメントを選びました。価格が理想的だったのと、完全に横になれる場所が欲しかったからです。寝台には、上掛けシーツと敷きシーツ、毛布、枕が付いていました。高いところが苦手な人や体の不自由な人は、上の寝台への出入りが難しいので、下の寝台をリクエストしましょう。車椅子で入れる個室もあります。 

 

いろいろな旅の話をして、ほかの旅行客を喜ばせることはできませんでしたが、車掌さんのご厚意により、シュナップス(無料)やハンガリーのビール(有料)を楽しむことができました。

 

ガタゴトと回る車輪の音に夢の世界へと誘われ、眠気はすぐに訪れました。翌朝の目覚めはすっきり。ドナウの真珠への弾丸ツアー、準備万端整いました。 

 

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乗客を待ちながら、車両基地に並ぶ夜行列車の数々。クレジット: EyeEm

 

旅を最大限楽しむためのヒントとアドバイス

 

  • ベストな客室、特に1人用の個室を希望するなら、早めに予約しましょう
  • 価格は、シーズンによって変動します。安く上げるには、晩秋または初冬が狙い目です
  • 膝を休めるための抱き枕や、騒音をシャットアウトできる耳栓を持っていきましょう
  • パジャマを持っていきましょう。あと、サンダルも。トイレへの往復に便利です
  • 布製のマスクと消毒用ウェットティッシュはいつもすぐに使えるところに置いておきましょう
  • 夜行列車では泥棒がいいカモを探しています。貴重品は肌身離さず持っていましょう
  • Wi-Fiは接続しにくいことがあります。常に外の世界とつながっていたいという場合には、データ容量が大きめのプランを選びましょう